花画像による私的さくらの花図鑑。

桜・白妙(シロタエ)と荒川堤(足立区江北)の桜

桜・白妙

白妙(シロタエ)

桜・白妙

白妙(シロタエ) / Prunus lannesiana ‘Sirotae’

白い八重桜。

清楚な雰囲気でもゴージャスな白い八重桜の代表的な品種・白妙。オオシマ系のサトザクラの一種で、花弁数は10~15枚。樹勢が強く大木になります。開花初期は少しピンク色がかっていますが、やがて白色の大輪の花になります。開花期は4月の中旬。ソメイヨシノが終わってから。東京の荒川堤で栽培されていたものが、現在の栽培種のもととなっているそうです。

荒川堤(足立区江北)の五色桜

江戸時代から「荒川の五色桜」と呼ばれた桜の名所だった東京の荒川堤。明治45年、ここで発芽した桜の苗が3000本、ワシントン市のポトマック河畔に贈られました。その後、堤防工事や公害で荒川堤の桜は衰退。その上第二次世界大戦後、多くの桜を失ってしまいます。しかし「五色桜」の復活を願った区の希望でポストマック湖畔から里帰りが図られ、昭和56年2月、ナンシー・レーガン大統領夫人から「日米友好親善 桜の特便」として都に送られ、それが現在の荒川堤の桜だとの事。

なんという壮大なドラマでしょう! そして、東京の荒川堤で栽培されていたものが、現在の栽培種のもととなり美しい品種を生み出すことになったのです。
(参考:千住物語・荒川堤(足立区江北)の五色桜と日米さくら交流

上の2枚は、”安行の白妙”。川口市安行の地域は、江戸・荒川堤にあった多様なさくらの品種の数が上記の理由で少なくなった時、川口市の植木の業者がさくらの木を保存していらっしゃって、桜の縁が深い土地になった、というエピソードがあるそう。

桜・白妙

桜の物語。まだまだありそうです。

桜・白妙