花画像による私的さくらの花図鑑。

桜・関山(カンザン)とおいしい桜のお話

関山(カンザン)

関山(カンザン)

関山(カンザン)

関山(カンザン)/ Prunus lannesiana Wils.cv.Sekiyama

豪華な八重桜・関山(カンザン)。学名は訓読みでセキヤマ。和名はカンザンと音読みです。別名としてセキヤマとも呼ぶようですが、一般的にはカンザンと呼んでいます。

ソメイヨシノに次いで馴染み深い桜ではないでしょうか?普賢象と同じく、古くから知られたサトザクラの代表的な品種で、ソメイヨシノについでよく植栽されています。この濃紅色の大きな花・樹勢は強健で成長も早く大木(9~13m)となる事もあり、外国でも好まれていて、アメリカ、イギリス、オ-ストラリアなど海外にも広く植えられています。

病害虫や都市環境に対しても強く、街路樹や公園樹として広く栽培されています。何より嬉しいのは、ソメイヨシノが散ってしまってしばらくしたら満開になるところ。葉をつけた美しく大きな花の花弁は25~50(!)枚。開花時期は、4月中旬から長いところでは5月上旬くらいまで咲いているところもあります。実はつかず、枝が内側に向かって弓なりに曲がる性質があります。

関山(カンザン)の歴史

関山(カンザン)

奈良時代に始まる大和朝廷から、平安・鎌倉・室町時代の中央集権が始まると、日本の各地から都へ貢ぎ物と共にいろいろなサクラの種類が集まることになります。そこでサクラが自然の交雑によって多様な雑種による品種が生じたとされています。同時に当時の人々は、積極的な交雑法やつぎ木技術を開発し、それらの品種が600年後の今日まで受け継がれたことになります。このような例は世界のどこの国にも類を見ないでしょう。ちなみに奈良時代より伝わる古い品種には奈良の八重桜、関山、普賢象などがあげられます
「桜の来た道」染郷正孝

この著書によると関山(カンザン)は奈良時代から伝わる交雑種・サトザクラ、との事。

佐野藤右衛門氏の「桜」によると明治初年、江戸巣鴨の植木屋によって荒川堤に植えられた名桜の中の一品種だという。欧米人好みのこの桜は欧米各地に植えられ、多くの人に愛されている.名を「セキヤマ」「カンザン」と呼ぶ。世界の桜を研究するアルゼンチンの賀集九平氏は、欧米に植わる桜のなかでも樹勢がどの八重桜より強く生長がよいこと、花が大きく美しく、花もちがよいことが好まれる理由であると述べている。

そんな記述もあります。

おいしい桜のお話

関山(カンザン)

”おいしい桜” というと何を思い浮かべますか? 桜餅や春の和菓子、ピンクの花びらが浮くほんのり桜が薫る桜湯や桜ごはん、アンパンの上にちょっと乗った桜。

そう。あの桜の花びらの塩漬けは、この関山の花びらです。関山は鑑賞用だけではなく食用としても栽培されているため「食べられる桜」ともいわれ、親しまれてきました。

今では、春になるとアイスクリームや様々な桜にちなんだスイーツが並びますね。

おいしいだけじゃない桜パワー

関山(カンザン)

実は、桜の花のエキスは老化の原因である糖化を防ぐことから近年注目を浴びるようになりました。

桜の花エキスは、八重桜「関山」の花びらから抽出されたエキスで、コラーゲンの産生を促進して肌にハリや弾力を与えたり、シミ・そばかすの原因とされるチロシナーゼの活性を抑制することによる美白効果も期待されています。
出典:わかさの秘密

あ~。桜のレシピ。春が楽しみになってきました!(今は7月。夏だけど^^;)